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    世界キリスト教情報

       2004年3月1日(月)   第688信(週刊総合版)☆☆

    《連絡》『世界キリスト教情報』のサイト(http://cjcskj.exblog.jp)を設け ました。発行ごとにメールをこのサイトにも送信します。どなたでも、どこでも ご覧いただけます。  メール送信は1回限りですので、障害があって受け取れなかったり、ファイル を消去してしまったなどの時にもご利用ください。  バックナンバー検索をされる場合には、小原克博さんのサイト『教会と神学』 http://www.kohara.ac/church/ をご利用願います。               = 目  次 =   
  • 米国南部バプテスト連盟執行委が世界連盟脱退決定   
  • カスパー枢機卿、アレクシー二世総主教と会見   
  • 中国・杭州で非公認教会の指導者2人起訴   
  • 北京でキリスト教新会堂2カ所、クリスマスまでに完成   
  • ユダヤとサマリア巡礼への規制撤廃   
  • 映画「キリストの受難」米で公開   
  • [メディア展望]

    ◎米国南部バプテスト連盟執行委が世界連盟脱退決定

     【CJC=東京】米国南部バプテスト連盟(SBC)執行委員会は、テネッシー州ナッシュビルの本部で開いた会合で、10月1日をもって世界バプテスト連盟(BWA)脱退と資金提供の停止を総会に提案することを2月17日決めた。

     決定に先立つ審議では、『女性宣教連合』(WMU)のジャネット・ホフマン会長が一を維持するようにとの情熱的な訴えもあり、BWAからは何らかの決定をする以前に和解のための協議をしたいとの書簡が1月22日に寄せられていた。

     執行委員会にはデントン・ロッツ総幹事らBWA代表も招かれてはいたものの、演説は認められなかった。

     総会は6月にインジアナポリスで開催される。SBCのモーリス・チャップマン議長は、5月までにBWAとの協議が行われても、6月の総会で執行委員会の提案がそのまま通ると見ており、和解への見通しは暗い。

     今回のSBCの決定に、BWAのロッツ総幹事は「我々は、SBC執行委の脱退決定を深く悲しむ」と語った。□


    ◎カスパー枢機卿、アレクシー二世総主教と会見

     【CJC=東京】教皇庁キリスト教一致推進評議会議長のウォルター・カスパー枢機卿は、2月17日から23日までモスクワを訪問した。ロシア連邦カトリック教会司教らの招きによるもの。

     同枢機卿は17日、ロシア正教会・諸教会対話責任者、スモレンスク=カリニングラードのキリル府主教と会談、両教会の抱える課題解決のための委員会設立などを討議した。

     枢機卿さらにモスクワの神学アカデミーを訪問、教授や神学生との会談では、教授陣の交換や奨学金に至るまで、両教会の協力を促す具体的な話し合いが行われたという。

     同枢機卿は22日、ロシア正教会の最高指導者、モスクワ総主教アレクシー二世と会見した。同日はアレクセイ2世の75歳の誕生日。枢機卿は教皇ヨハネ・パウロ二世からの手紙を手渡しお祝いの言葉を述べた。続いて教会関係者、報道陣立会いのもとでの会見、続いて総主教との個人的会談が行われた。

     今回の訪問は、カトリック教会とロシア正教会との和解、さらには教皇ヨハネ・パウロ二世のモスクワ訪問実現につながるとの見方があったが、直前になってウクライナにおけるギリシャ典礼カトリック総大司教区設立に対する憶測や批判がモスクワ総主教座から表明されるなど、緊張をはらんだ雰囲気のもとに行われた。

     モスクワのカトリック大聖堂で2月18日開かれた「正教会信仰とカトリック教会」会議の後でアレクサンドル・ピエトリツク神父は「ロシアのカトリック教徒はカスパー枢機卿のモスクワ訪問が正教会とカトリック教会の間の友好関係樹立に役立つことを願っている」と語っていた。

     正教会総主教座のバチカン非難に関して、ピエトリツク神父は「私はモスクワをカスパー枢機卿が訪問することが、ローマ教皇の政権が司教区のランクに上げられた時からずっと、ロシアのカトリックに何年間も浴びせられた非難を軽くするかもしれないと希望する。ギリシャ典礼カトリック教会に対する非難は我々をも大きく緊張させている」と言う。

     モスクワ訪問を終えたカスパー枢機卿は、バチカン放送に、「アレクシー総主教と会見できたことに満足している。会見の最初の方では、総主教は過去からの両教会間の問題を繰り返し述べていたが、後半は各種の問題について意見の交換をすることができた。この訪問の成果が未来に反映されることを願うが、ともかく『第一歩』ということだ」と率直な感想を述べた。□


    ◎中国・杭州で非公認教会の指導者2人起訴

     【北京=EP・CJC】中国・杭州市当局は、国家秘密を入手した容疑で、非公認プロテスタント教会の指導者、教会史家リュウ・フェンガン氏と2人を起訴した。政府管理下にない礼拝への締め付け強化の一環と見られる。

     教会歴史家リュウ・フェンガン氏と精神科医スー・ヨンハイ氏の2人。杭州で2月23日起訴された、と人権擁護団体『中国人権』が伝えた。

     同市当局はこれまで非公認教会の会堂を破壊し、説教者と礼拝者300人を拘留したという。

     今回の起訴で有罪となると、国家安全保障関係の法律により2人は禁固5年以上で無期もある。

     両氏の夫人は、弁護士を立てるように言われた、と語った。AP通信によると、類似の裁判は通常秘密に行われ、ほとんど常に有罪判決が出されている。□


    ◎北京でキリスト教新会堂2カ所、クリスマスまでに完成

     【CJC=東京】1949年に、共産主義政権が樹立されて以来、宗教的な表現や実践は厳しい統制下に置かれた。教会堂も閉鎖されたまま放置されたり、他に転用された所が多く、新設などはほとんどなかった。

     中国の信者は「無登録の」、いわゆる非公認の地下教会「家の教会」を形成することを強いられた。政府管理下にある「公認」教会はキリスト者の僅か10%を擁しているだけで、多くは非公認の地下教会の属している。

     政府の発表では、カトリック信徒1000万人、プロテスタントの信者1500万人となっているが、全キリスト者は約9000万人で、その9割が「家の教会」に出席している、と推定される。  政府は宗教活動を制限し、そして一貫して「家の教会」を迫害して来た。それが今この50年間で初めて、中国政府が北京に2カ所で教会堂を建設している。北京市宗教局の李保群局長が2001年5月、同市では3000万元(約4億5000万円)を投じて、朝陽区および豊台区に2000人規模の教会堂建設を計画していることを明らかにした。

     人口約1400万の北京市で、会衆席200人から300人の教会が5カ所あるだけだった。新会堂は2004年のクリスマスまでに完成する。

     中国の教会に何か急変があったのか。国際的な支持をねらったものだ、とする見方もある。

     中国は、迫害の実態を監視している国連と米国の双方を、さらにはさまざまな人権団体を喜ばせたい、と考えていると言うのだ。加えて中国は現在、世界貿易機関のメンバー。それには人権と宗教的な自由の双方が求められる。2008年には五輪大会が北京で開催される。世界の目が中国に注がれるのだ。

     教会堂建設は、中国側が世界に見せる「民主主義の展示」と考えているのだろう、と米宣教メディア『ミッション・インサイダー』は指摘する。これら政府によって設立された教会の牧師が共産主義に友好的なことは確かで、その説教も救いは「憐れみによって」ではなく「愛によって」得られるという、神学的には誤ったものになろう、と手厳しい。

     そうは言っても、教会堂が増えればそれだけ多く信者を受け入れられることにはなる。「福音がこれらの会堂で自由に説かれるように、そして信者が政府に統制された説教壇から説かれる偽の教義にだまされないように祈ってほしい」と「ミッション・インサイダー」は言う。さらに、中国政府が弾圧を続けている「家の教会」に集う信者のためにも祈りを、と呼びかけている。

    (注=建設中の2教会堂はプロテスタントのものと推定されるが、「ミッション・インサイダー」、北京市宗教局ともに明確に言及してはいない。□


    ◎ユダヤとサマリア巡礼への規制撤廃

     【エルサレム=ZENIT・CJC】イスラエル当局は聖地巡礼に訪れる入国者にいわゆる占領地域での行動を規制していたが、このほど規制を撤廃した、とアジア・ニュースが報じた。

     イスラエルのエブド・ゴル駐伊大使が語ったもので、これまでテルアビブ空港で実施していた規制地域表の配布を中止したという。この1月には、イスラエル軍関係者が、訪問者に歓迎リーフレットを配っていたが、それには「ガザ回廊、ユダヤとサマリア(A区域)など、パレスチナ自治政府支配下の地域には許可証無しでは立ち入りを禁止する」とあった。

     そのため巡礼者は、ベツレヘム、エリコ、エマオといった聖書でおなじみの場所や死海文書が発見されたクムランなどを訪問するには、国外退去などの制裁を覚悟しなければならなかった。

     聖地観光に逆効果だったとして、ラファエル・ベン・ホウル観光相が2月18日、リーフレットの無効を宣言する声明を発表、「ユダヤとサマリアへの観光はこれまでの基準、規則に照らしながら認められる」と確言した。声明はガザには言及していないが、最近のテロ攻撃の結果、特別管理下に置かれているためと見られる。□


    ◎映画「キリストの受難」米で公開

     【CJC=東京】イエス・キリストが十字架にかかる直前12時間を描いた映画『ザ・パッション・オブ・ザ・クライスト(キリストの受難)』が2月25日、米国の約2800映画館で公開された。

     熱心なカトリック信者でもあるメル・ギブソン監督が、私財約2500万ドル(約27億円)を投じて制作したこの映画、初日から多くの映画館が観客で埋まり、早くも約3000万ドル(約33億円)という記録的な売り上げが見込まれて、興行的には大成功。

     捕らえられたキリストがむちで打たれ血まみれになるシーンや、十字架上の死までの場面が約2時間15分の上映時間の多くを占めており、映画の描写について「残酷」「史実と違う」と批判するなど米メディアが連日大々的に取り上げた。公開に合わせ抗議運動が盛んになり、時ならぬ“宗教論争”も巻き起こったが、それも計算済みだったと見られる。

     実際に公開されると、カンザス州では映画を見た女性が心臓まひを起こし死亡。またキリスト処刑の責任がユダヤ人にあると描かれているとして、内容への反発も起きるなど、論争は収まるどころか激しさを増している。

     映画を見た教皇ヨハネ・パウロ二世が「きわめて正確」と語ったと伝えられ、論争に拍車をかけたが、バチカン(ローマ教皇庁)は教皇発言を否定している。

     キリストを死に追いやったのはユダヤ人だとする一部の認識が反ユダヤ主義の根底にあることを再確認させられる事件も起きた。デンバーのペンテコステ派の教会では25日「ユダヤ人が主イエスを殺した」という看板を掲げたものの、抗議を受けて同夜には下ろす羽目になった。モーリス・ゴードン牧師は、聖書を読むよう奨励するのが目的だと釈明したものの、「現存している誰かを指したのなら不愉快かもしれないが、これは2000年の歴史の一部だ」と本音もちらり。

     ニューヨーク中心部の映画館には25日夜、ナチスの強制収容所の収容服姿のユダヤ系市民らが上映中止を求めて集まり、「ヒトラーはこの映画を誇りにするだろう」などと訴えた。

         ※     ※     ※  日本では「パッション」の題で5月に公開予定。□


    ◎[メディア展望]

      

    =カトリック新聞(2月29日)=

  • 2003年度臨時司教総会=『ミサ典礼書』改訂への動き進む
  • 「ニケア・コンスタンチノープル信条」と「使徒信条」の口語訳を各教区へ
  • 教会の“今”浮き彫りに=「カトぺディア2004」発行
  • 青森・弘前教会の雪像=祭りの主役に   

    =キリスト新聞(2月28日)=

  • 信教の自由を守る日=各地で2・11集会開催=自衛隊イラク派遣など焦点=国民統合・権威・教会の使命を問う
  • ローマで渡辺禎雄版画展開催
  • 米聖公会=教区負担金が7%減少=同性愛主教就任の影響か
  • アングリカン・コミュニオン=分裂の危機強まる=13管区が保守派に賛同   

    =クリスチャン新聞(2月29日)=休刊

      

    =リバイバル新聞(2月22日)=休刊


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